【実体験】外国人配偶者を健康保険の扶養に入れる手続き!保険証がない期間の対策も解説

病院でいただく薬の画像 国際結婚の手続き

本記事は国際結婚をし、外国人配偶者が日本で暮らす場合、健康保険をどうするのか気になる方に向けた記事です。

この記事では、私の妻(外国人配偶者)を会社の健康保険の扶養に入れた実体験をもとに、 外国人配偶者が健康保険に入る条件・メリット・デメリット・実際の手続きの流れまで詳しく解説します。

※本記事は、筆者の実体験に基づく情報です。健康保険の加入条件や必要書類、高額療養費制度の適用ルールは、加入している健康保険組合や自治体によって異なります。実際に手続きを行う際は、必ずご自身の勤務先の人事・総務、または加入中の健康保険組合へ最新の情報をご確認ください。


この記事でわかること

この記事では、次のことを解説します。


外国人配偶者は健康保険に入れるのか

国際結婚をして日本で生活を始めると、「外国人配偶者は日本の健康保険に入れるのか?」 と疑問に思う方は多いと思います。

結論から言うと、条件を満たしていれば、外国人配偶者も健康保険に加入することが可能です

外国人配偶者であっても、日本に中長期在留資格を持ち、
住民票がある場合は、日本人と同様に公的医療保険の対象となります。

また、日本に住民票がある場合は、原則としていずれかの健康保険に加入する必要があります
外国人配偶者は、次のいずれかの健康保険に加入する義務があります。

  • 配偶者(日本人)の会社の健康保険の扶養に入る
  • 外国人配偶者自身の勤務先の健康保険に入る
  • 国民健康保険に入る

日本の公的医療保険制度については、厚生労働省HP内の我が国の医療保険についてより、
すべての住民が何らかの医療保険に加入する「国民皆保険制度」が採用されています。


【実体験】台湾人妻の健康保険証がなくて困った話

健康保険証がないと、病気になった場合に全額自己負担となってしまいます。

私の妻は日本に来た直後、健康保険証を持っていない状態で虫歯になってしまいました。
日本の歯医者に診察に行き、高額な治療費が請求されることを恐れ、歯の治療のために一時帰国しました。

無事台湾での歯の治療が終わり、日本に帰ってきてからも健康保険証が手に入るまでは、病気になったらどうしよう、、、という不安が常にありました。

※日本の公的医療保険制度(健康保険・国民健康保険)には、「手続き中などで一時的に保険証がない状態」でも、あとから医療費の7割分を返金してもらえる救済制度が存在します。
救済制度が適用できる条件は記事の最後に記載しています。


私たち夫婦の状況

私たち夫婦の状況は、次の通りです。

  • 夫:日本人、会社員
  • 妻:台湾人、専業主婦(無収入)

この状況では、妻が日本で加入できる健康保険は、次の2択でした。

  1. 私が勤めている会社の健康保険の扶養に入る
  2. 国民健康保険に入る

私たち夫婦は、1. 配偶者(私)の会社の健康保険の扶養に入るという選択をしました。

外国人配偶者を健康保険の扶養に入れる条件

外国人配偶者を、日本人配偶者の健康保険の扶養に入れるには、主に次の条件があります。

① 在留カードを持っていること

短期滞在ビザではなく、 配偶者ビザなどの中長期在留資格を持っている必要があります。


② 今後1年間の見込み年収が130万円未満であること

  • 日本での収入
  • 海外からの収入

これらを含めて、今後1年間の見込み年収が130万円未満(月収約10.8万円以下)であることが原則条件です。
(※健康保険組合によって細かい基準は異なります)


③ 日本で生活していること

  • 日本に住民票がある
  • 日本人配偶者とで生計を共にしている

といった点が確認されます。


これらの条件を満たしていれば、 外国人配偶者でも日本人配偶者の健康保険の扶養に入ることが可能です。

※条件は健康保険組合や自治体によって異なります。実際に手続きを行う際は、必ずご自身の勤務先の人事・総務、または加入中の健康保険組合へ最新の情報をご確認ください。


健康保険の「扶養」とは?

国際結婚に限らず、 「そもそも健康保険の扶養とは何か?」 と疑問に思う方も多いと思います。

正直に言うと、私自身も結婚するまで 健康保険の扶養についてほとんど知識がありませんでした。

ここでは、

  • 扶養に入るとどうなるのか
  • 扶養に入らないとどうなるのか

を簡単に解説します。


健康保険の主な選択肢は3つ

外国人配偶者が加入できる健康保険は、基本的に次の3つです。

  • 日本人配偶者の会社の健康保険の扶養に入る
  • 外国人配偶者自身の日本での勤務先の健康保険に入る
  • 国民健康保険に入る

この中から、収入状況や働き方に合わせて選ぶことになります。


配偶者の健康保険の扶養に入るメリット

① 保険料の自己負担がゼロ

健康保険の扶養に入っても、 日本人配偶者の健康保険料が増えることはありません

また、保険料は会社が給料から天引きしてくれるため、 毎月支払い手続きをする必要もありません。


② 医療費の自己負担は3割(高額療養費制度あり)

病院や薬局での医療費は、原則として自己負担3割です。 また、医療費が高額になった場合でも、高額療養費制度を利用できるため、 一定額以上の負担が戻ってくる仕組みがあります。

※高額療養費制度を簡単に説明すると、医療費が高額になった場合でも、自己負担額に上限を設ける制度です。


配偶者の健康保険に入るデメリット

一方で、配偶者の健康保険の扶養に入ることには、注意点やデメリットもあります。

① 収入制限(130万円の壁)がある

健康保険の扶養に入るためには、年収130万円未満である必要があります。

そのため、

  • パート・アルバイトで働き始めたい
  • フルタイムで働く予定がある

といった場合には、将来的に扶養から外れる可能性があります。


② 働き方の自由度が下がる

「少しだけ働きたい」と思っても、 収入が増えすぎると扶養から外れてしまうため、 働く時間や収入を調整する必要があります。


③ 健康保険組合ごとに判断が異なる

扶養に入れるかどうかは、 最終的に加入している健康保険組合の判断になります。

  • 入国直後は認められない
  • 書類提出が多い

など、会社や健康保険組合によって対応が異なる点には注意が必要です。


国民健康保険との違い

ここで、配偶者の健康保険の扶養に入る場合と自身で国民健康保険に入る場合の違いを簡単に比較します。

項目配偶者の健康保険(扶養)国民健康保険
保険料0円所得に応じて発生
医療費負担3割3割
支払い方法会社が管理自分で支払う
収入制限ありなし

収入がない、または少ない期間は、 配偶者の健康保険の扶養に入る方が金銭的な負担は軽くなるケースが多いです。


私たち夫婦が扶養を選んだ理由

私たち夫婦の場合、

  • 日本での生活に慣れる期間が必要だった
  • 新婚旅行などの計画があった

という理由から、 妻は来日後しばらく働く予定がなかったので、まずは日本人配偶者の健康保険の扶養に入る選択をしました。

結果として、

  • 毎月の保険料負担がなく
  • 手続きも会社経由で完結

したため、精神的にも金銭的にも楽だったと感じています。

加入時に困ったこと|実体験

結婚直後に扶養申請をしましたが、 最初は認められませんでした

理由は

  • 住民票・マイナンバーカードが未取得
  • 妻の名前に人名用漢字以外の文字が含まれていたので申請できない

です。

配偶者ビザ取得後

  • 住民票の取得
  • 通称名の取得
  • マイナンバーカード(通称名併記)登録

を行い、再申請して無事に扶養に入ることができました。

※通称名は健康保険証にも使用できます。

通称名の申請や適応範囲について記事を書いているのでご参考ください。
参考記事:【国際結婚】外国人配偶者の通称名とは?できること・できないこと&注意点を徹底解説

申請の流れ|実体験

私の会社の場合、申請は申し込み用紙に必要事項を記入するのみでした。

提出書類

  • 会社指定の申込書
  • 戸籍謄本(結婚証明のため)
  • 妻のマイナンバーカードのコピー
  • 住民票
  • 給与所得証明書を提出できない経緯書

妻は日本に来る前は台湾で働いていましたが、源泉徴収票のように給与所得証明書を持っていなかったため、給与所得証明書を提出できない経緯書を記入しました。

経緯書には「これまで台湾在住で婚姻にともない来日したため」と記入しました。

申請から約1週間で、 マイナンバーカードに保険証が紐づけされました。

2026年の現在は国の方針で従来の健康保険証の新規発行が終了し、「マイナ保険証」への移行が進んでいます。そのため、私たちのときは手続き完了後、最初に健康保険証ではなく「資格確認書」という書類が手元に届きました。
この資格確認書があれば、マイナ保険証の準備ができる前でも問題なく病院を受診できます。その後、妻のマイナンバーカードに健康保険証の情報が正しく連携された(マイナ保険証になった)ことを確認した上で、役目を終えた資格確認書は会社を通じて健康保険組合へ返還しました。
※健康保険組合や申請のタイミングによっては、最初からマイナンバーカードへ直接紐づけされて資格確認書すら発行されないケースもあります。手続きの際、最初にどのような形で書類が届くのか、会社の人事や総務に一度確認しておくとより安心です。

健康保険の扶養手続きをする際、配偶者が20歳〜59歳であれば、同時に国民年金の『第3号被保険者』の手続きも会社で進める必要があります。これを忘れると未納期間になってしまうため、必ず会社の人事や総務に確認しましょう

詳細は日本年金機構(従業員が家族を扶養にするときの手続き)をご確認ください。


外国人配偶者が健康保険に加入する前に病院を受診した場合

外国人配偶者が日本に来たばかりの時期は、
「まだ健康保険の手続きが終わっていない」「健康保険の資格確認書が手元にない」
といった理由で、病院の窓口で医療費を10割負担することがあります。

しかし、10割負担した場合でも、受診日に健康保険の資格があれば、後から「療養費」として払い戻しを受けられる場合があります。

一方で、受診日に健康保険の資格がなかった場合は、後から健康保険に加入したとしても、その医療費が必ず払い戻されるわけではありません。

そのため、重要なのは、

「病院に行った日に、健康保険に加入する資格があったか?」

という点です。

ここでは、外国人配偶者が健康保険に加入する前後で病院を受診した場合について、ケースごとに解説します。


① 健康保険の資格があるのに10割払った場合

健康保険の資格はすでにあるものの、資格確認書などを提示できず、病院で医療費を全額支払った場合は、加入している健康保険に「療養費」を申請できる場合があります。

全国健康保険協会(協会けんぽ)でも、資格取得届の手続き中で保険証等を提示できず、自費で診療を受けた場合を療養費の対象として案内しています。

協会けんぽ「療養費」医療費の立替について

手続きの流れ

  1. 病院で医療費を支払う
  2. 領収書などを保管する
  3. 健康保険の資格取得後、加入している健康保険に相談する
  4. 「療養費支給申請書」を提出する
  5. 審査後、保険給付の対象となる金額が支給される

ただし、支払った10割がそのまま10割返金されるわけではありません。

健康保険で認められる医療費を基準に計算し、通常の自己負担分などを差し引いた金額が支給されます。


② 受診日に健康保険の資格がなかった場合

ここは特に注意が必要です。

例えば、外国人の婚約者が「短期滞在(観光)」で日本に滞在している期間に病院を受診した場合です。

厚生労働省は、短期滞在在留外国人を国民健康保険の対象外としています。

大阪市も、在留資格が「短期滞在」の方は国民健康保険の適用対象外と案内しています。

そのため、短期滞在中に受診
→ その後、日本人と婚姻
→ 在留資格を変更
→ 国民健康保険に加入

という流れになったとしても、

「後から国民健康保険に加入したから、婚姻前の医療費も7割返ってくる」

とは考えないほうがよいでしょう。

受診日に健康保険の資格があったかどうかによって扱いが変わるため、個別のケースについては市区町村や加入する健康保険に確認してください。

厚生労働省「国民健康保険の加入資格」

記事冒頭で書いた私の妻が歯を痛めたときは、婚姻前かつ妻は短期滞在ビザで日本に来ていたため、健康保険資格がなく医療費が戻ってくるケースに当てはまりません。


③ 国民健康保険に加入する場合は「いつから資格があるか」を確認

会社の健康保険の扶養に入らない場合、外国人配偶者が国民健康保険に加入するケースがあります。

ただし、在留資格を取得した日や婚姻した日が、そのまま国民健康保険の資格取得日になるとは限りません。

在留資格や住民登録の状況などによって扱いが異なるため、

「健康保険の資格はいつから発生しますか?」

と市区町村の国民健康保険窓口に確認することをおすすめします。

大阪市では、国民健康保険の対象となる外国人について、在留資格や在留期間などの条件を案内しています。

大阪市「国民健康保険とは」


④ 医療費を払うこと自体が難しい場合

「10割負担になってしまうけど、その金額を支払うことが難しい」という場合は、無料低額診療事業を行っている医療機関に相談する方法もあります。

無料低額診療事業は、経済的な理由によって医療費の支払いが難しい人に対して、無料または低額で診療を行う制度です。

利用できる条件や減免の内容は医療機関によって異なるため、受診前に医療機関へ相談しましょう。

大阪府では、無料低額診療事業を実施している医療機関について案内しています。

大阪府「無料低額診療事業について」


⑤ 海外旅行保険に加入している場合

婚姻前の短期滞在など、公的な健康保険に加入できない期間に病院へ行く可能性がある場合は、海外旅行保険などの民間保険も確認しておきましょう。

日本に来る前に加入した海外旅行保険があれば、日本国内での病気やケガが補償される可能性があります。

保険に加入している場合は、治療を受ける前に保険会社へ確認しておくと安心です。


体調が悪い場合は、保険手続きより受診を優先

健康保険の手続きが終わっていないからといって、必要な医療を我慢する必要はありません。

体調が悪い場合は、まず医療機関へ相談しましょう。

ただし、

「健康保険がない=無料で診療を受けられる」

という意味ではありません。

健康保険がない場合は自由診療となり、医療費が全額自己負担になることがあります。

そのため、受診前に医療機関へ「現在、健康保険に加入していません」と伝え、費用について確認しておくと安心です。


10割負担になったら確認すること

病院で10割負担になった場合は、次のことを確認しましょう。

  • 受診日に健康保険の資格があったか
  • 領収書を保管する
  • 健康保険の資格がある場合は、療養費を申請できるか確認する
  • 国民健康保険の場合は、資格取得日と医療費の給付対象期間を確認する
  • 医療費の支払いが難しい場合は、無料低額診療事業を相談する
  • 海外旅行保険などに加入していれば、補償対象か確認する

まとめ

健康保険証は外国人配偶者であっても、 条件を満たしていれば、外国人配偶者も健康保険に加入することが可能です。

特に、

  • 無収入もしくは低収入
  • 専業主婦(主夫)

といった場合は、 配偶者の会社の健康保険の扶養に入る選択が、 負担が少ないケースが多いです。

ただし、 将来働き始めるタイミングでは、 健康保険の切り替えが必要になる点も忘れないようにしましょう。

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