【国際結婚】外国人配偶者の通称名とは?できること・できないこと&注意点を徹底解説

自分の名前を紹介している画像 国際結婚の手続き

※本記事は、日本人の私と台湾人の妻が国際結婚後、日本で生活する中で実際に通称を取得・使用した経験をもとに作成しています。


通称の記載要件や必要書類、窓口での対応は自治体や個人の状況によって異なる場合があります。本記事だけで判断せず、手続きをする前に必ずお住まいの市区町村へ最新の情報をご確認ください。

また、本記事は制度の利用を検討する際の参考情報であり、法律・行政手続きに関する専門家による個別のアドバイスではありません。


はじめに

国際結婚をすると、多くの方が次のような疑問を持つと思います。

  • 夫婦別姓になるけど、日本で普通に生活できる?
  • 通称名って何?
  • 通称名って聞くけど、使わないと不便?本当に必要?
  • 通称名のデメリットはないの?
  • 通称名はどのタイミングで使えるの?

私たち夫婦も、台湾人の妻が日本で生活を始めるまで、通称名について詳しく知りませんでした。
実際に生活してみると通称名がなくても日本で生活することはできます。

ただ、会社の手続きや各種サービスへの登録などで、外国人配偶者の本国名を使うことによる「ちょっとした不便」を感じる場面がありました。

そこで私たちは、妻の日本での生活を少しでもスムーズにするため、通称名を取得しました

この記事では、

  • なぜ通称名が必要だと感じたのか
  • 実際の申請手続きでつまずいた点
  • 通称名を使って分かったメリット・デメリット

を、体験談ベースでまとめています。

本記事は、これから国際結婚を予定している方や、通称名の取得を検討している方、
日本での生活に不安を感じている外国人配偶者の方に向けて解説しています。


この記事でわかること

この記事では、次のことを解説します。

これから国際結婚をする方や、すでに日本で外国人配偶者と生活している方の参考になれば幸いです。


国際結婚では原則「夫婦別姓」になる

日本人同士の結婚とは異なり、 国際結婚では原則として夫婦別姓になります。

  • 日本人配偶者:日本の戸籍上の氏名
  • 外国人配偶者:母国の氏名(パスポート表記)

日本の戸籍制度では、 外国人配偶者は戸籍に「氏」を持たないため、 日本人配偶者と同じ姓に変更することができません。

その結果、

  • 夫婦で姓が違う
  • 将来的に子どもと姓が違う可能性がある

という状況が生じます。


通称名とは?本名との違い

通称名とは、 本名(パスポート名)とは別に、日本国内で日常的に使用できる名前のことです。

通称名は、日本の住民基本台帳制度に基づき、一定の条件を満たすことで住民票に本名と併記することが認められています。
通称名の記載は、市区町村の判断により運用されており、必要書類や要件は自治体ごとに異なります。通称名の取り扱いについては、リンク先の総務省の資料をご参考ください。

国際結婚の場合、次のような通称名が多く使われています。

  • 日本人配偶者の姓
  • 日本語表記にした名前(漢字・カタカナなど)

※通称名は戸籍上の氏名ではありません。在留カードやパスポートの氏名は変わりません。


通称名は使わなくても生活できる?実際に感じた不便

通称名がなくても生活はできます

しかし、台湾人妻が日本語名を持たずに生活してみると、次のような小さなストレスを感じました。

  • 病院や学校、お店などで名前を呼ばれ外国人のため注目を浴びる
  • 夫婦特典のある施設やお店の予約時に、別姓であるため夫婦であることの説明が必要
  • 人名用漢字以外で登録出来ないサイトがある
  • 名前の発音を毎回説明する必要がある

どれも大きな問題ではありませんが、「小さなストレス」が日常的に積み重なる感覚でした。


なぜ通称名が必要か?通称名を取得した理由|私たちの場合

私たちが通称名を取得しようと思った理由は、次の4つです。

① 健康保険の扶養手続きで困った

会社の扶養手続きで、妻の名前が人名用漢字になく、申請出来なかった

② サイトの登録や行政の手続きが出来ない場合がある

身分証明書としてパスポートや在留カードを使用できますが、いずれもアルファベット名です。
身分証明書を添付しなければ登録出来ない日本のサイトや手続きにおいて、アルファベット名では許可されず、不便に感じる場面がありました。

③ 夫婦で姓が違うことを毎回説明する必要があった

行政手続きや会社関係では、
「なぜ姓が違うのか?」
を説明する場面が意外と多く、精神的な負担になっていました。

④妻の名前を言うたびに国際結婚について聞かれる

妻の名前を友人や会社の方に言うたびに、珍しげに出会いや結婚の経緯などのプライベートなことを聞かれることがありました。
あまり親しくない人にもプライベートなことを聞かれるのはストレスに感じていました。


通称名で出来ること・出来ないこと

通称名が使える場面

外国人配偶者の通称名は、日本の住民票に公式に登録されるため、以下に記載した国内のほぼすべての社会生活・契約で使用することができます。

  • 公的な身分証明書・税金関係
    • 住民票への通称名併記(参考:外国人住民に係る住民票の記載事項一覧(総務省HP)
      • 日本の住民票に公式に記載・併記されます。
    • マイナンバーカードへの通称名併記
      • 本名と併せてマイナンバーカードの券面に記載されます。
    • 運転免許証での通称名併記
      • 国籍や通称名が記載された住民票を提出することで、免許証の氏名欄に併記できます。
    • 確定申告や源泉徴収票での使用
      • 税務署への確定申告書や、会社から受け取る源泉徴収票の氏名欄にも使用可能です。
  • 日常生活やコミュニティ
    • 学校や職場、地域活動での使用
      • 通称名での勤務や名簿への登録、学校生活など、組織の判断のもと柔軟に使用が認められています。
    • 健康保険証での使用
      • 健康保険の組合(保険者)によりますが、住民票の通称名に合わせた表記が可能です。
    • 各種「資格証」や「免許証」の発行・登録
      • 国家資格や民間資格の合格証書・登録証を通称名にできる場合があります(※各管轄団体への申請が必要です)。
  • 各種契約・インフラ・通信
    • 銀行口座の開設・携帯電話の契約
    • 賃貸契約・電気・ガス・水道のインフラ契約
      • 民間企業や水道局との契約も、日常で使用している通称名で行うことができます。
    • ネットショッピングやWebサービスの登録・配送
      • Amazonや楽天市場、SNSなどのアカウント名や配送先住所も問題なく登録できます。
    • 郵便物・宅配便の受け取り
      • 郵便局に「転居届」や「居住届」を通称名で出しておけば、通称名宛ての郵便物もスムーズに届きます。

※金融機関や携帯会社などは各社の判断によるため、事前に確認することをおすすめします。

通称名が使えない場面

通称名はあくまで「日本国内の社会生活上の名前」です。

そのため、法律上の本名そのものを変える効果はなく、国境をまたぐ手続きや、出入国管理に関する法的な場面では使用できません。

  • 国際的な手続き・出入国管理
    • パスポート(旅券)の氏名変更
      • 本国のパスポートに記載される氏名は、あくまで本国の法律に基づいた本名(アルファベット等)となります。通称名に完全に変更することはできません。
    • 在留カード・特別永住者証明書の氏名変更
    • 海外への渡航(飛行機の航空券予約)
      • 航空券の氏名は、パスポートの表記と完全に一致している必要があります。日常を通称名で過ごしていても、航空券は本名で予約しなければ出国できません。
    • 国際的な契約・取引・国際送金
      • 海外企業との契約や、マネーロンダリング防止が厳格な海外への送金・受け取りの際は、パスポートや在留カードの本名が必要です。
    • ビザ(在留資格)の申請・更新手続き
      • 出入国在留管理局で行うすべての法的な手続きや書類申請は、本名で行う必要があります。
  • 国内の法的な身分・手続き
    • 戸籍上の氏名変更
      • 外国人配偶者には日本の戸籍自体が作られないため、戸籍をベースにした法的な氏名変更はできません。通称名は「本名とは別にもう一つの名前を国内限定で登録する」制度です。(参考:法務省|国際結婚の戸籍Q&A Qestion6
    • 法的な本人証明(単体での証明)

※通称名の利用範囲は、機関によって異なります。


通称名を使わないという選択肢

ここは重要です。

通称名を使わない選択も、もちろん尊重されるべきです。

  • 本名を大切にしたい
  • アイデンティティを重視したい
  • 海外生活を予定している

実際、別姓のまま不便を感じず生活している家庭もあります。

通称名は「必須」ではありません。
あくまで生活をスムーズにするための選択肢です。


通称名を取得する手続きの流れ

一般的な流れは次の通りです。

  1. 市区町村役場で通称名の申請
  2. 通称名を日常的に使用している証拠資料を提出(※自治体による)
  3. 住民票に通称名が併記される
  4. マイナンバーカードに通称名を反映

※必要書類や対応は自治体によって異なるため、 市区役所のホームページで事前確認することがおすすめです。

通称名を日常的に使用している証拠資料とは

通称名申請はすでに社会生活上使用していることが前提となります。
通称名で登録した社員証、預金通帳、郵便物などが必要になることがあります。

配偶者の氏で登録する場合、通称名を使用していることを確認できる資料の提示は不要ですが、配偶者の氏や家族関係を証する資料の提示が必要な場合があります。

詳しくは通称の記載(変更)における留意事項(総務省のHP)に記載があります。

【実体験】通称名申請で市役所に断られた話

私たち夫婦は、
配偶者ビザ取得後、在留カードの住所登録のために市役所を訪れました。

その際、同時に通称名の申請をしようとしたのですが、
私たちの自治体では、市役所では対応しておらず、
区役所での手続きが必要でした。

理由は、

通称名は法律上の氏名変更ではなく、
住民票の記載事項であり、住民票を管理しているのは区役所のため

というものでした。

そのため、同じ日に区役所へ移動
改めて通称名の申請を行いました。

あらかじめ市役所では通称名申請が出来ない場合があることを知っていたら
はじめから区役所に行っていました。
暑い日に自転車で市役所に行ったので、市役所から区役所へ移動するのが疲れました。


通称名申請当日の流れ(私たちのケース)

実際の申請は、思っていたよりシンプルでした。
全ての手続きは10~20分程度で終了しました。

申請用紙に
 ・通称名(表記・読み方)
 ・申請理由
を記入し、在留カードを提示することで申請手続きは終わります。

申請理由欄には、

  • 「婚姻のため」
  • 「健康保険証発行のため」

と記載しました。

私たちの自治体では、通称名を使用していることを示す資料の提出は不要でした。

申請後すぐに、

  • 通称名併記の住民票を取得
  • マイナンバーカードへの通称名併記申請

も行うことができました。

※対応や必要書類は自治体によって異なります。事前に問い合わせしておくことをおすすめします。

通称名申請時の注意点(重要)

通称名は婚姻・離婚等を除き、一度登録すると原則変更できません

これは、名前を変えることで名義を不正利用することなどを防ぐためです。
日本人も名前を簡単に変えることは出来なくなっているのと同じです。

参照:通称の記載(変更)における留意事項(総務省のHP)

そのため、きちんと考えたうえで登録する必要があります。

また、通称名に使用できる文字は、ひらがな・カタカナ・漢字のみでアルファベットは使えません。


通称名を使う際の6つの注意点

通称名は日本国内での生活を便利にしますが、本名(パスポート名)との「使い分け」が必要になるため、以下の点に注意する必要があります。

1. 原則として「一度登録すると変更できない」
通称名は、個人の都合(「響きが気に入らない」「別の名字にしたい」など)で簡単に変更することは原則認められません
婚姻や離婚、養子縁組などの法的な身分変動がない限り、基本的には「一生その名前を使い続ける」という覚悟で慎重に決める必要があります。

2. 契約時は「本名と通称名が両方載った書類」が必須
銀行口座の開設や携帯電話の契約、賃貸契約などを通称名で行う場合、通称名だけが書かれた書類(社員証や郵便物など)では審査に通りません。
必ず、「本名と通称名が併記されている住民票の写し」や「マイナンバーカード」の原本をセットで提示する必要があります。

3. アルファベット(カタカナ表記以外)は登録できない
通称名に登録できるのは、日本人が戸籍に使える文字(漢字・ひらがな・カタカナ)のみです。
例えば、日本人配偶者の名字が「佐藤」で、外国人配偶者の名前が「Michael(マイケル)」の場合、通称名は「佐藤 マイケル」となり、「佐藤 Michael」といったアルファベット混じりの登録はできません

4. クレジットカードや銀行口座の「名義不一致」に注意
通称名で銀行口座を作り、クレジットカードを本名(パスポート名)で作った場合、名義が一致しないため引き落とし口座に設定できないトラブルが発生します。
金融機関や決済サービスを紐付ける際は、どちらの名義に統一するかを事前に決めておく必要があります。

5. 航空券の予約は1文字でも間違えると搭乗できない
日常を通称名(例:サトウ マイケル)で過ごしていても、海外旅行や一時帰国の際の航空券は、絶対に本国のパスポート名(アルファベット)で予約しなければなりません。
うっかり日常の癖で通称名を使って予約してしまうと、当日飛行機に乗れず、チケットもキャンセル扱いになる重大なリスクがあります。

6. 職場や学校では「事前に人事・総務への確認」が必要
国の方針として通称名の使用は認められていますが、民間企業や私立学校などでは、社内システムや給与振り込み口座の名義の関係上、通称名の利用に一定のルールを設けている場合があります。
入社・入学前に、通称名での勤務や名簿登録が可能か、人事や総務に確認をとっておくのがスムーズです。


取得して感じた通称名のメリット・デメリット

メリット

  • 扶養・保険手続きがスムーズ
  • 夫婦で姓が揃うことで説明不要
  • 日常生活の心理的負担が軽減

正直に言うと、
「もっと早く取得すればよかった」と思いました。

デメリット

  • 本名との使い分けが必要
  • 書類上の不一致に注意
  • 将来的に海外移住する場合は再説明が必要

まとめ|国際結婚と通称名は「使い分け」が大切

国際結婚では、夫婦別姓は避けられません。

しかし、通称名を活用することで、

  • 行政手続き
  • 会社関係
  • 日常生活

のストレスを大きく減らすことができます。

  • 別姓でも生活は可能
  • ただし通称名があると便利
  • 利用範囲は事前確認が必須

これから国際結婚を予定している方や、通称名申請を悩んでいる方、
すでに別姓で不便を感じている方の参考になれば幸いです。

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